この世界の向こう側

「なぜヒトは不倫をするのか問題」を身を持って実証します

彼との出会い part2

彼との出会い part1 - この世界の向こう側

から続く

 

あれは確か12月の半ばのこと。

地元で毎年恒例のマラソン大会があり、

家の近所がコースになっているということもあり、

私は子供と一緒に家の近くの沿道に出て

ハーフマラソンの応援をしました。

私自身、いつかマラソンをしたいなと思っていたこともあり

志気を高めるために行ったような感じです。

数千人?の方々が走るのを羨ましく思いながら

「頑張って〜 頑張って〜」と子供と共に見守っていました。

 

その数日後。

勤務先のホテルに彼がやってきました。

もうすっかり顔見知りになっていた私たちは

いつものように「どうも〜」と言葉を交わしたのですが、

彼が突然「マラソン大会の時いました?」と聞いてきました。

どうやら、彼はその大会のハーフに出場し、

走っている時に、沿道にいる私を見かけたらしいのです。

 

ランニングを始めたい、いつか大会にも出たいと思っていた私は、

ハーフを走る彼に尊敬の意を抱いたのはもちろん、

「走りながら私のことが分かるなんて!」という気持ちが

「私を見つけてくれた!」という気持ちに変換され、

一気に親近感が増した、というわけです。

 

その後のカウンター越しの会話は必然的に増え、

「ちょっといい雰囲気のヒトだな」と思った第一印象も手伝ってか、

私の気持ちは、ちょっと特別なお客さん、になって行きました。

 

とはいえ、この段階ではまだ

お客さんとスタッフという関係以上のことを望むなんて意識は毛頭ありませんでした。

ランニング、という共通の話題ができ、

いつもの会話がもっと弾むようになったので嬉しいなぁと思うようになったくらい。

それに大きく変化が生じたのは、1月の半ば頃。

彼から「2月から異動になると思います」と聞いてからでした。

 

当時の彼は、私が住む町に車で片道1時間ほどかけて通勤しており、

飲み会などで帰れない夜に、私の勤めるホテルを利用していたのです。

異動先は、彼の住む町に近い都市。

となると、

もう彼がこのホテルに来ることはなくなるだろう、

そう思った途端、一気に寂しさを覚え、

どうにか個人的に連絡を取り合いたい、

という思いがムクムクと込み上げてきたのです。

 

彼との出会い part3 - この世界の向こう側

に続く