この世界の向こう側

「なぜヒトは不倫をするのか問題」を身を持って実証します

彼との出会い part1

彼と出会ったのは、私がパート勤めをしているビジネスホテルでした。

彼はそこのお客さん。私はフロント係。

 

私はそこで働き出して2年目、

彼はそれよりも前からこのホテルを利用していたようですが、

私の頭の中にある常連リストにはないお客さんでした。

 

去年の秋頃だったでしょうか。

入室されたお客様からフロントに、

「部屋の電気が薄暗いんだけど・・・」という電話がかかってきました。

そこのホテルでは、

電話を受けたスタッフがお客様の要望に対応する、

というルールになっていました。

なので、その電話を受けた私は、

「すぐに参ります」と一人でそのお部屋へ行きました。

 

(数年前、某女優さんの息子が起こした「歯ブラシ持ってきて事件」以降、

お客様のお部屋へ行くときはスタッフ2人で行くように、

という決まりでしたが、そんな悠長なことをしていられないほど人手不足です)

 

その部屋のお客様が彼でした。

「あ、ちょっといい感じの雰囲気のヒト・・・」

とチラッと思ったことを覚えています。

彼が訴えた部屋の明かりは本当に暗く、明らかにホテルの不備。

「違うお部屋をご案内します」と言って、すぐに別の部屋に案内しました。

こちらの不備で面倒をかけたにも関わらず、気さくに話をしてくれ、

この出来事がきっかけでお互い顔を覚え、言葉を交わすようになったのでした。

 

と言っても、彼の利用は月に数回。

チェックインの時には他のスタッフのところには行かず

必ず私のところに来てくれるようにはなりましたが、

フロントのカウンター越しで

チェックインの手続きをしながら少し世間話をする程度です。

他の常連さんとのやりとりも似たような感じなので、

私の中では、

たくさんいらっしゃるお客様のうちの一人、

という認識しかなかったのですが、

そのうちに私の気持ちに変化が生まれました。

 

彼との出会い part2 - この世界の向こう側

に続く