この世界の向こう側

「なぜヒトは不倫をするのか問題」を身を持って実証します

彼との出会い part3

彼との出会い part2 - この世界の向こう側

から続く

 

彼が異動すると聞いてからの私は、

どうにかして個人的に連絡を取り合えないか、

そればかりを考える日々でした。

 

もちろん、彼はお客さんなので顧客情報としての登録があり、

電話番号やメールアドレスなどの連絡先は簡単に分かります。

でも、仕事上の連絡などないのに

一方的に連絡を取るなんてことはできません。

ええ、真面目なのです。わたくし。浮気してるくせに。

 

いくら顔見知りになって言葉を交わすようになったとはいえ、

彼は私のことをよく利用するホテルのフロントの人、としか思ってないでしょう。

このご時世、いろんな人がいらっしゃいますので、

彼がもしちょっとおかしな人だったとして

「フロントの女から誘惑された」

などと勤務先にバラされる可能性だって否定できません。

いろんなリスクを考えていると、

彼に会った時に一言、

「個人的に連絡してもいいですか?」と言うのが一番だという結論に達し、

彼から予約が入るのを今か今かと待っていました。

 

2月から異動、と聞いていたので、

1月中に来なかったらもう終わりだ、と毎日焦っていた1月の終わり頃。

奇跡的に彼から予約が入っていました。

小さくガッツポーズ。

「今日伝えないともう会えないよ」

自分に言い聞かせ、彼がやって来るのを待ちました。

もうドキドキです。

 

例によってこの日も、彼は私の立つフロントにきてくれました。

ホテルの精算は前払い制。

彼はいつもカード払いなので、差し出されたクレジットカードを受け取ると

緊張しながら操作をしました。

言わなきゃ言わなきゃ、、、

カードの控えを渡しながら、思い切って切り出しました。

もちろん、周りに他のスタッフやお客さんがいないことを確認してから・・・

 

「2月から異動ってことは今日で最後ですか?

メールとか送ってもいいですかね?」

やっとの事で言ったセリフがこれ・・・我ながら恥ずかしい・・・

彼はびっくりしたような様子でした。

その様子に、もしかしたら心配してたクレーマーの部類の人なのか?と一瞬不安になりましたが、

どうやら意外な私の申し出にただ驚いただけのようでした。

「あ、いいですよ」

みたいな返事だったかなぁ。

緊張しすぎていて詳細は思い出せませんが、

これで彼に個人的に連絡できる下地は整ったってわけです。

 

part4に続く